建学の精神・教育の指針

東海大学の創立者 松前 重義

東海大学の創立者 松前 重義

(1901-1991)

東海大学の創立者松前重義は、青年時代に「人生いかに生きるべきか」について思い悩み、内村鑑三の研究会を訪ね、その思想に深く感銘を受けるようになりました。特にデンマークの教育による国づくりの歴史に啓発され、生涯を教育に捧げようと決意して「望星学塾」を開設しました。ここに東海大学の学園の原点があります。
創立者松前はこの「望星学塾」に次の四つの言葉を掲げました。

若き日に 汝の思想を培え
若き日に 汝の体軀を養え
若き日に 汝の智能を磨け
若き日に 汝の希望を星につなげ

ここでは、身体を鍛え、知能を磨くとともに、人間、社会、自然、歴史、世界等に対する幅広い視野をもって、一人ひとりが人生の基盤となる思想を培い、人生の意義について共に考えつつ希望の星に向かって生きていこうと語りかけています。
本学園は、このような創立者の精神を受け継ぎ、明日の歴史を担う強い使命感と豊かな人間性をもった人材を育てることにより、「調和のとれた文明社会を建設する」という理想を高く掲げ、歩み続けていきます。

教育の指針 四カ条

若き日に 汝の思想を培え

人間は若い時に、しっかりとしたものの見方・考え方を身につけなくてはならない。それは、長い人生を生きていくうえで、もっとも大切なことであり、その人自身の人間性を形成することになるからである。東海大学でいう「思想」とは、よりよいものの見方・考え方のことをいうのであり、特定の宗教や教条を指すのではない。たとえ高度な知識をたくさん覚えて、すぐれた技術を使うことができても、それが社会や人類や環境にとって悪影響を与えるものであれば不幸を増すばかりである。ヒューマニズムに立脚した学問・知識・行動であるためには、まず、しっかりとしたものの見方・考え方が重要である。

若き日に 汝の体軀を養え

人間は若い時に、しっかりと身体を鍛えて、丈夫にしておかなくてはならない。それは、長い人生を生きていくうえで、あらゆる困難に立ち向かい、さまざまな事にあたるとき、その基本となるからである。スポーツやあらゆる運動を通して心と体を鍛えていくことは、単に肉体を強くして技を身につけるだけでなく、多くの人と交わり、連帯や友情を育むことにもつながるのである。正しい知識やルールのうえに立って、きちんとした身体をつくり、人生の基盤を築くことが重要である。

若き日に 汝の智能を磨け

人間は若い時に、しっかりと勉強をして、考える力を身につけなくてはならない。それは、単に知識を覚えるだけのことを指すのではなく、創造的な発想が生まれる頭脳をつくるためである。知識をたくさん覚えて方法を学ぶだけの勉強から、なぜ・どうしてという探究心を持って、深く広くものを考える勉強へと変わっていかなくてはならない。それは物事の本質や原理や関連が見えてくるからである。過去の知識の暗記を繰り返すのではなく、常に新しいものを生みだしていくクリエイティブな学びを追求していくことが重要である。

若き日に 汝の希望を星につなげ

人間は若い時に、しっかりとした理想や大きな希望を持たなくてはならない。それは、単に夢を持つということだけではなく、将来、社会や人類に貢献できるような高い理想であり希望でありたいということである。希望のない人生ほど無味乾燥なものはない。喜びや生きがいも希望あればこそである。自らの掲げた理想と希望の実現に向かって我々は前進しなくてはならない。それは、たとえささやかな一歩であっても構わない。その一歩を踏み出す前向きな姿勢が尊いのである。千里の道も、まずは一歩から始まるのである。

生徒

教育の指針 四カ条(小学校版)

若き日に 汝の思想を培え
(太陽のように 明るい子ども)

人を愛し人に愛される、こころゆたかで、明るい子どもでありますように。きちんとした生活習慣を身につけ、お友達や周りの人を大切にできるこころやさしい子どもでありますように。やって良いことと悪いことの区別ができる子どもでありますように。

若き日に 汝の体軀を養え
(雑草のように たくましい子ども)

たくさん遊んで、お友達と仲よく元気に過ごせますように。からだを使って運動したら、ぐっすり睡眠、しっかり食事。たくさんの生命を「いただきます」と「ごちそうさま」で、じょうぶなからだができますように。

若き日に 汝の智能を磨け
(自由に正しく 考える子ども)

しっかり学び考える、かしこい子どもでありますように。なぜだろう、どうしてだろうと疑問を持って、いろんなことを探ってみよう。知らない何かが見えてくる。学ぶよろこびとたのしみを見つけることができますように。

若き日に 汝の希望を星につなげ
(未来に 夢を 育てる子ども)

すてきな夢と、あふれる希望でいっぱいの子どもでありますように。つらいときやかなしいときも、自分に負けずたくましく、おおきく腕をふりながら夢に向かって歩き出す、そんな子どもでありますように。

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